「値上げは庶民の敵」というが本当だろうか。
最近の石油や乳製品や穀物やその他いわゆる原料になるものの価格高騰が著しい。
生産の無駄を省いて値上がり分を吸収していた製造業の中にも製品値上げをす
るところが出てきた。
すると、「値上げは庶民の敵」という非難の声が上がる。「値上げはしません」
という小売業が出てくる。
こういう現象を見ると私は、「あんたたち経済をわかってないねえ」、と言い
たくなる。
つまりこういうことだ。
製品が適切な価格で売れないと売上金が原材料購入費に消え、給料が適切に払
われないということになる。一つの製品が作られるまでにどれほどの人間が関
わっているか考えてみると給料が適切に払われないことがどういう影響を生む
のかよくわかる。社会の購買力が落ちるのである。するとますます物が売れな
くなり、生産会社は疲弊し、購買力が落ちていく。もちろん新商品開発も滞る
ので魅力的な製品が出てこなくなる。
すると小売業の店頭に商品が並ばなくなるし、小売業の売上も悪循環的に落ち
ていくわけだ。値上げしないと言っている小売業はだから自らの首を締めてい
ることになる。
とは言っても値上げはやりにくいし、他社と口裏を合わせて価格を操作するわ
けにもいかないので大手製造業が率先して値上げをし、市場を引っ張るしかな
いわけだ。
だから大手製造業はがんばって値上げをしているので、ご理解をたまわりたい
わけだね。
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