Service SciencesとSystems Sciencesの連関

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東京工業大学のサービスサイエンスとシステムサイエンスに関係した授業に参
加して感じたことをまとめてみました。

あえて論文調で書いてみたが何を言っているのかかえってわかりにくい。

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第二次産業に対してOR(Operations Research)が重要な役割を果たしたように、
第三次産業に対してSytems Sciencesが貢献できることがあるのではないかとい
う概念の反動として当然考えられるのは、Systems SciencesがService
Sciencesの手段として隷属することになりはしないかという危惧である。

少なくともSystems SciencesがHolistic Approachを基本概念としている以上、
些細な現実問題への摘要そのものが概念的矛盾を孕んでいることは当のSytems
Science研究者の間では暗黙のわだかまりとして誰も口にしないうちから共通課
題として表立って議論することは巧みに忌避されてきた。

しかしながら物理学が原子爆弾を作る道具に成り下がったこととその学問的意
義とが分離して理解されていること、ORがロケットの弾道計算という卑しすぎ
る役割を与えられたことと待ち行列理論による様々な試みが学問的価値を高め
たこととが矛盾せず成立していることから考えてもこの課題は杞憂といってよ
いというのが私の考え方だ。

そうでなくてもSystems Sciencesが多主体複雑系における意思決定問題に積極的
に適用されてきた歴史から考えてもそれは明らかであり、働かざるもの食うべ
からずとは言わないまでも、学術的価値といった御託は少なくとも学問として
役に立つことを実証してからにしてほしいわけである。

その一方でSystems Sciencesにおける重要概念が底の浅い適用によって誤解され
ることは何としても回避せねばならず、これこそが売れないことを是として学
術書を著してきた先生方に対する期待なのである。というと皮肉が過ぎるだろうか。

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