日本情報経営学会誌Vol.30 No.2から

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今回の特集は、「ICTと地域振興」です。またそれ以外に査読つき論文が3編、
APCIM2009のBest Papersから4編収録されています。

この記事では特集に関連した論文について考察します。

ICTとはInformation and Communication Technologyで、情報通信技術、ここで
は、いわゆるインターネット技術と総称してもいいでしょう。

まず、「ICTによる地域振興は可能か」ですが、特に地域(ここでは小規模な地
方自治体)が置かれている状況を概観し、ROIの観点の重要性を説いています。

当たり前の話です。

そして国による地域振興政策を概観します。地域の財政の厳しさを解説します。

周知の話です。

次にICTによる地域雇用創出は難しいことが述べられます。

そりゃそうでしょう。

で、どうなるのかなと思ったら、「おわりに」になってしまいます。何も言っ
ていないに等しい作文でした。

次の論文は、「地域SNS発のまちおこしに関する事例研究」です。地域産業振
興のためにSNSが活用できないかという話です。

鹿児島県の地域SNSを題材として自転車マップの制作といった(成功)例を考
察しています。

しかし、後から説明することはできてもそれが持つ本質的な特性をとらえ、外
延的な理論に発展できているとは言えません。

最後の論文は、「ICTを活用した地域振興 地域創出のデジタルコンテンツ」
です。CGCMについて考察しています。CGCMとはConsumer Generated
Commercial Messageで、ユーザによって作成された動画コンテンツつまり、CM
です。

例えば、観光地のPR用のCMを住民が作るといった例で、それを実現するのが
ICTというわけです。また、テレビドラマのロケ地として使ってもらい、知名
度を上げるという発展形についても考察しています。

カラオケビデオの「ロケ地:横浜」というやつです。←ちがいます

これも「だからどうした」の部分がすっぽりないという点で論文というよりは
作文の域を出ないものでした。

結局、ICTで地域振興はできるのかできないのか最後まではっきりしないまま
なのでした。

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