情報システム開発プロジェクトマネジメントは技術論ではない

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情報システム開発プロジェクトがうまくいくかどうかはマネージャーのスキル
といった技術論ではなく、組織そのものの問題であるという説を唱えたい。

例えば、水に落ちた犬を叩くわけではないが、以下のような記事がある。

引用開始

日航、300億円かけた整備システムを本稼働 安全投資の半分を投じ、7年越しで
頓挫から脱出

日本航空は11月18日、新整備業務システム「JAL Mighty」を全面稼働した。独
SAP社のERP(統合基幹業務)パッケージ「R/3」をベースにした。1970年代から活
用してきた機体整備管理など、約100に上る主要な業務システムをR/3に入れ替
えた。今後3カ月間で細かい修正を加え、2009年1月までに運用フェーズに移行
する予定だ。

中略

アドオン開発を260本にまで抑えられたのはコンサルタントの助言が大きかった。

中略

練習用サーバーを立てて新システムを構築し、自習できるようにした。「講習
会だけで使いこなせるようになるのか不安だという現場からの声に応えて作っ
た。作業の空き時間を活用して練習したようだ」とマネジャーは振り返る。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081121/319760/

引用おわり

R/3導入に7年、300億円かけたというのも驚くが、社内の「抵抗」のすさまじさ
にも驚く。外部コンサルタントに社内の説得を託すのは既にプロジェクトチー
ムが機能していないことを意味する。システムが稼働にこぎ着けても現場によっ
て換骨奪胎されていることは想像に難くない。十分な機能が発揮できているの
かどうか。推測だが、ほかにも同じようなことが社内で横行していたのではな
いか。それが経営行き詰まりの遠因と私は考える。

失敗プロジェクトの原因を解析し、それが組織にあると判明した場合は無理矢
理情報システムだけ入れても遅かれ早かれ組織は崩壊する。情報システムを構
築するということは組織を構築することなのだ。では、その企業の将来まで予
測できてしまった場合、情報システム開発コンサルタントとしてどうアドバイ
スをすればいいのか。どういう手を打てばいいのか。

少なくとも顧客に言われるままに不要なまたはやるべきではないタスクをやっ
てお金をもらえればいいということはやりたくないねえ。

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