「図説世界の文字と言葉」を読んで

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「図説世界の文字と言葉」(河出書房新社)を読んだ。おそらく子供向けの本
なのだがしっかりした内容で楽しめた。

世界には5000以上の言語があるが、文字の種類は50もない。しかもそれらは4
つの系統に分類できるという。つまり、大半の言語は固有の文字を持たないの
だ。多くはその地域で影響力のあった国の文字を使って自分の言語を表した。
日本語もその一つだ。

文字はそれほど貴重な人類の成果だということだろう。

さらに何らかの理由で途中で文字を乗り換えた言語も多い。漢字をやめてアル
ファベットにしたり、キリル文字にしたり。

このような言語と文字のドライな関係も興味深い。

そして日本語の文字体系の複雑さが世界的に見ても際だって独特なことも改め
て認識した。漢字とひらがなとカタカナがあり、アルファベットが混じっても
違和感がない。漢字は読み方が複数存在し、同じものを違う文字で書くと微妙
にニュアンスが変わる。

日本語は文字にがっちり依存しているのではないか。

そしてそのことが書き言葉でかなりの表現力を持つことになり、メールやブロ
グの流行を生み、それが顔文字等さらなる文字体系拡張を促している。ない文
字、ほしい文字は作るという日本人の発想はこの文字体系に立脚していると考
えられる。

ま、とりあえず私は顔文字は使わないけど。なんか、文章力が落ちる気がして。

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